学会の設立について
<生物試料分析科学会の設立>
生物試料分析科学会の設立に関して思い出すことは,林長蔵(現・本学会名誉会長)先生のご意向で「臨床検査領域(当時)の実学的な研究を発表し議論する場として学会を設立したい」ということで、故・山村雄一(当時・大阪大学名誉教授)先生にご意見をお伺いし、その設立の必要性を認めていただいたのが1984年(昭和59年)頃だったと思います。
その時の助言は、まず、研究会として発足した方が良いということでした。したがって、本学会がその前身である生物試料分析研究会(以下研究会と呼ぶ)を母体としていますが、発足時の林長蔵先生の胸中は新しく学会を設立するということでした。
しかし、新しく学会を興すことは時間的、経済的にも非常に難しいという判断で、すでに1973年(昭和48年)より雑誌「生物試料解析」の刊行と講習会、講演会の開催を行って実績のある生物試分析研究会を母体とした方がよいという意向に変り、生物試料分析研究会代表(当時林長蔵)から諮間を受けて研究会の組織,事業のあり方あるいは将来のあり方について提言するために1985年(昭和60年)に「将来検討委員会」が設置されました。
ほぼ3年間にわたる検討の結果、研究会を学会化し、その名称を生物試料分析科学会とすること、設立趣旨は、「臨床検査分野にとらわれず、広く生物試料の基礎的研究および分析法の開発に関する研究をする。」ということで1989年(平成元年)に設立されました。
その検討期間には研究会運営に直接的、間接的に関与された多くの先生方のご助言をいただき、なかでも故・堀尾武一(当時・大阪大学蛋白研究所長)先生には多くのご助言をいただきました。
第4~9代会長 片山 善章